【2024年最新】 みんなを怒らせろ　寺山修司

スポーツ・コラム
みんなを怒らせろ　　寺山修司

発行　　新書館
発行日　1973年3月31日　初版3刷
　　※初版1刷は1966年1月10日
写真　　　細江英公
著者撮影　熊瀬川紀
装丁　　　杉浦康平
判型　 　18 ✕12.5　厚さ2cm

目次
◎いますぐ言いたいこと
　※25編のコラムを収録
◎花を喀えたターザンの肉体
　※5編のコラムを収録
◎叙事詩　～李康順～
　※1編のコラムを収録
◎五年目のノート
　※7編のコラムを収録
◎後書きかわりの小さなコラム
　※1編のコラムを収録

最初の「いますぐ言いたいこと」のコラムの冒頭において寺山修司は、【勝つ】ことの意味についてこう断言していた。

“私はこれらのコラムを野球場の片隅、競馬場帰りのバーのカウンター、ボクシングジムの食堂などでメモした。言わば「三分ほどの思想」とでもいったものである。
私は、この25のコラムを通して常に「勝つ」という意味を考え続けてきた。闘うことはスポーツの領域だが、「勝つ」ことは思想の領域だからである。
私はこのコラムを通じて、勝つためにはハングリー・ヤングメン(Hungry Youngmen--腹の減った若者たち)にならなければいけない同世代のスポーツマン達の味方として励ましてきた。本来ならばアングリー・ヤングメン(Angry Youngmen - 怒れる若者たち)になるべきところなのに、彼らはなぜハングリー、腹を空かせなければ勝つことができないのだろうか？
～中略～
「ともに怒る」ことができたときに真の新しい社会への第一歩を踏み出せるのではないかと考える。“

寺山修司は、世間一般の価値観や勝敗の基準に対して　“怒る=挑発する“ことに端を発し、敗者の在り方にこそ　“物語“　があり、それを見いだすことで、埋没されない　“個である“　ことが大事だと主張する。

(追記)表紙裏側の寺山修司29歳のポートレートが素晴らしい。寺山修司の野心満々、不敵な面構えの画像をほぼ表紙サイズで収録してあります。また、印刷ですが寺山のサインも配置されている等、寺山の書籍では珍しい内容です。

現品は自宅保存で51年ですが、経年劣化、キズも少なく、中ページのヤケもほとんど感じられません。

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